成人期を対象とした
精神疾患医療

心の不調やお悩みをお聞かせください
ここでは当院で提供する成人期を対象とした精神疾患の治療についてご紹介しています。当院では、患者さんがお困りの症状をあらかじめ丁寧にお伺いした上で、診察、検査を実施し、一人ひとりの病状やご希望、持病などに応じて治療をご提案いたします。また、ご本人からだけではなく、「家族の様子が気になるので、一度相談したい」といったご希望にも対応します。思い悩むことがあれば、お気軽にご相談ください。
こんな場合はご相談ください
- ずっと落ち込んだ気分である
- 人混みが苦痛に感じる
- 疲れが続き、意欲が湧かない
- 強迫観念に悩まされている
- イライラが続く
- 眠れない状態が続いている
- 突然強い不安に襲われる
- 気落ちして仕事へ行けない
診療のご紹介

経験豊かな医療者による詳細な問診
問診が大きな割合を占めている精神科医療においては、正確かつ安全な治療のために詳細な問診が欠かせません。当院の診察は専門医が問診に十分な時間をとり、病状を把握させていただきます。加えて、からだの問題、社会的な事情についても併せてお尋ねさせていただき、適切な医療を検討させていただきます。

専門スタッフが寄り添った
医療を提案します
当院では、医師だけではなく、看護師・作業療法士・公認心理師・精神保健福祉士などの専門スタッフが連携し、患者さんに合わせた治療をご提案します。それぞれ異なる症状や取り巻く社会的事情に寄り添い、問題解決に向けたアプローチを検討します。
診療内容
薬物療法

精神科医療はいまやはっきりと学術的に体系化され、有効性のある医療として飛躍的な発展を遂げました。その転換点を支えている重要なポイントの一つは、論理的な診断のもと、適切な薬物療法を、適切な管理のもとで実施することにあります。当院では詳細な問診と検査のもと診断を伝え、必要性と安全性を考慮して薬物療法を提案させていただきます。繰り返しの診察のなかで治療薬の効果を判断するとともに、見直しを行い不必要となった薬剤は速やかに終了できるよう提案します。また、他院での処方についてのご不安についてもご相談に応じます。
カウンセリング
(精神分析・心理・認知療法)

当院では医師の判断のもと、公認心理師の面談によって問題を抱える心のパターンや機能の問題の評価を行います。評価は治療チームに共有されることで診断の正確さを高め、問題点を明確にすることでより良い医療につながります。面談そのものでも必要な助言を行いますが、それに加えて、必要に応じて凝り固まった考えかたや行動のパターンを修正する治療を行うことをおすすめすることもあります。
社会活動への支援

精神疾患は残念ながら人生に与える影響が大きいことがあり、仕事を続けることができなくなるだけではなく、ときに日常生活さえも困難になることがあります。当院では必要に応じて産業医と連携したり、公的な精神医療支援制度をご紹介したりします。さらに、地域行政機関や各支援機関と連携することで、患者さんの治療にとどまることなく、包括的に生活の支援を行います。
成人の代表的な疾患
適応障害
何らかのストレスが引き金となり、環境に適応できず心身のバランスを崩し、社会生活に支障をきたした状態です。落ち込み、憂うつ、不安、不眠、いらだち、頭痛、動悸、吐き気などの精神的・身体症状がみられます。原因であるストレス源が明確であることが特徴で、そのストレスの原因が仕事や学校にあるとそこへ行けなくなることもあり、社会生活に支障が生じます。症状の程度には個人差があり、強いストレスを抱えた状態が続くとうつ病など別の疾患を発症する可能性があります。ストレスの原因を軽減・除去した上で、社会復帰を目指した治療が大切です。休業に関して診断書を求められることも多いため、早めに受診をご検討ください。
不眠症
睡眠に関する症状やトラブルを引き起こす病気です。夜眠れない、寝つきが悪い、何度も目が醒めるなどの症状により、日中の社会生活に支障をきたすこともあります。一時的な不眠であれば問題ありませんが、慢性的に不眠が続く場合は専門的な治療が必要です。他の疾患に関連することも多く、専門医での診察を受けることをおすすめします。睡眠に関するお悩みはお気軽にご相談ください。
うつ病
ストレスが原因で脳の機能障害が起こり、心身のエネルギーが低下することで強い落ち込みや意欲低下、慢性的な疲労感、食欲低下、不眠、死にたいと考えてしまうといった症状を引き起こす病気です。原因や症状の現れ方には個人差があり、心の強さや性格は関係ありません。うつ病は自分で自覚しにくい疾患であり、表情の暗さや飲酒量の増加、ネガティブな発言などから周囲の人から受診すすめられる場合もあります。休息や精神療法、薬物療法が必要となり、段階的に社会復帰を目指します。速やかに医療機関に受診することが回復への近道となりますので、早めに受診をご検討ください。
双極性障害(躁うつ病)
うつ状態(憂うつで無気力な状態)と躁状態(テンションが高く活発な状態)を繰り返す病気です。うつ状態が中心であり、躁状態に時折なる場合が多いです。躁状態の時は散財や暴力行為、行き過ぎた性行動などの問題が生じやすく、症状が強まると仕事や家庭に大きな問題が生じてしまい、今までの生活を送ることが困難となります。軽度の場合は日常生活を維持することも可能であり、周囲から病気だと理解されにくい傾向があります。気分の波を落ち着けるために休息や薬物療法、精神療法が必要となります。ご自身またはご家族で心当たりがあるかたは、一度ご相談ください。
統合失調症
幻覚や妄想、思考の混乱などの症状が現れる脳の病気です。陽性症状(幻聴や妄想など)と陰性症状(意欲の低下、感情の平板化、思考低下など)がみられ、通常の生活に支障をきたし、社会生活や人間関係が困難になる場合もあります。自分では病気であるという認識を持てなくなることが多く、家族など周囲のかたから受診すすめられることがあります。治療には適切な薬物療法や心理療法が重要であり、長期的なサポートが必要です。ご自身またはご家族で心当たりがあるかたは、一度ご相談ください。
パニック障害
突然激しい動悸やめまい、呼吸困難などの身体症状が出現し、強い不安を感じる病気です。「このまま死んでしまうかもしれない」という強い恐怖が突然襲ってくるため、日常生活に大きな影響を与えます。体調不良を起こした場所やシチュエーションに対して「あの場所に行くとまた具合が悪くなるかも」と考え、外出困難や行動制限を引き起こす場合もあります。治療には薬物療法や精神療法が必要となります。お困りのかたは一度ご相談ください。
強迫性障害
ご自身の意思に反して不快な考えやイメージが頭に浮かび(強迫観念)、それを解消しようとする行為をせずにいられなくなる(強迫行為)状態です。汚れに過度に反応したり、物がなくなる不安などが頭から離れず、自分でもばかばかしいと感じながらも何度も手洗いをしてしまったり物をため込んでしまうといった行動をとってしまいます。精神的な疲労からうつ病を合併したり、周囲を巻き込んでしまったり、家から出られなくなるといった問題も生じることがあります。本人の意思だけでは改善が難しく、専門家による治療が必要とされています。強いこだわりや行動により、生活に影響が出ている場合は一度ご相談ください。
社交不安障害
人前に出たり、人から注目されたりすることに不安や苦痛、恐怖心を感じる状態です。症状が進行すると、外出を避けるようになり、家から出られなくなる場合もあります。不安の強さに異変を感じつつ、自力でコントロールできない症状に悩むかたも少なくありません。思い当たる症状がある場合はご相談ください。